
むかしあるところに「おかん」がおりました・・・おかんはがっちりした性格で、今日もスーパーの特売に駆けつけました、が
「売り切れ~~~!!?」給料日なので張り込もうと思っていた特売の牛バラ肉が売り切れです。すき焼きを待ってる飢えた夫と息子にどういいわけをすればいいのでしょう?・・・・・・・・・・・・
おかんはちくわ3本78円をつかみました。
「甘辛く炊いたらわかりゃせん!動物性蛋白やし。」
フツーわかります。牛肉とちくわ。いわしの蒲焼きを「おいしいね~~。今日はうなぎの蒲焼きだね~」という、すっとんとんの亭主も気づくでしょう。
「これ、牛肉と違う」と

「焦がそう」おかんは強引な作戦を思いつきました。苦くて固くしてしまったらばれないに違いない。
「しかしこの穴どうしよう…」肉に穴はないしなあ、と街灯の下ちくわの穴をためつすがめつしていた時です
「あ!」
おかんは石につまずいてすっころんでしまいました。
弧を描いて、道に散らばる三本のちくわ・・・
「あ~~あ」
ちくわの穴からのぞいたら遠くの我が家の明かりがみえました。
息子と亭主はおなかをすかして待っているのでしょう。
・・・・・・・・・おかんはちくわをひろいあげます。
泥だらけのちくわ。
「帰ろう」おかんは膝をはたいて立ち上がりました。
「今日は動物性蛋白なしじゃ。」
そして、野菜ばっかりのすき焼きを食べ終わったら、外に出て亭主と息子と三人でちくわの穴から星をみよう。
そしたら、みんなして心のおなかはいっぱいになります。

「牛肉じゃあ星は見えんかったわね」がっちりしたおかんは、そうつぶやいて、泥だらけのちくわをおうちに持って帰りましたとさ。
ーーーおしまいーーー